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台風一過のプチ地蔵

台風による倒木多数

9月30日~10月1日にかけて日本列島を縦断した大型で強い台風24号。JR東日本では初めてという計画運休を実施──9月30日の午後8時以降、首都圏全ての在来線の運転をとりやめたらしい。10月1日も安全確認のため始発から運転を見合わせたりしてダイヤの乱れが続いたようだ。僕のところでは日付(月)が代わる前後でボロ家が揺れる激しい風が吹いていた。《【台風24号】東京都内も「樹木が根こそぎ倒れるほど」の記録的な暴風の恐れ》なんて見出しの記事があったが、台風通過後に外へ出てみると、本当にあちこちで樹木が根こそぎ倒れていた。


























プチ地蔵ことアカシマサシガメのレガースなど



ベンチの上にいたアカシマサシガメ。台風の爪痕を目の当たりにしたあとに見ると、御利益がありそうな(?)プチ地蔵!?──ということで。


アカシマサシガメはもっぱらヤスデを捕食するらしいのだが……、


アカシマサシガメの前脚と中脚の脛節(けいせつ)内側にはハリサシガメと同じようなレガース(脛当て)があることに気がついた(*)。ハリサシガメでは獲物のアリを押さえるさいに接面積を増やしてグリップ力を増すための器官ではないかと考えているが、アカシマサシガメもヤスデを押さえ込むのに使っているのかもしれない。
やはりベンチの上を徘徊していたフトハサミツノカメムシ成虫♀↓。


ヒメハサミツノカメムシ成虫♀と似ているが、フトハサミツノカメムシには前胸背の後側縁に歯状突起があるので、識別できる。
カメムシつながりで、アカスジキンカメムシ↓。











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ハリサシガメ羽化殻のレガース

ハリサシガメ羽化殻のレガース(脛当て)



石垣の鉛直面にハリサシガメの羽化殻が残されていた。これまで羽化殻はいくつか見つけているが、羽化後に落ちたり飛ばされたりしてきたものではないか……と思われるものが多かった。1度観察できた脱皮では幼虫は石垣の鉛直面に頭を下にしていたので、きっと羽化もそうに行われるのだろうと予想していた。
今回見つけた羽化殻は鉛直面に頭を下にとまっていたので、おそらくここで羽化したのだろう。飛ばされたり落ちてきた羽化殻が、この位置でひっかかるとは考えにくい。
ただ、腹と背中のデコレーション素材が頭の方に垂れ下がって左後脚が大きく浮き上がっていたので、羽化殻はなんともわかりにくい形になっていた。


この羽化殻をプチ容器に回収(採集)↓。


羽化のさいに破れた背中の裂け目から腹面の殻の内側──「脚が抜けた穴」が見える。デコレーションの中にはプラチナ風(?)の昆虫の腹部の一部がコレクションされていた。
容器に入れて移動したあと、撮影し直すために葉の上に乗せると、元の形に整っていた↓。


今回みつけたハリサシガメ羽化殻の背面↑。
腹面↓をみると、前脚と中脚の脛節内側にレガース(脛当て)のようなパーツがあるのがわかる。


このレガースは成虫にもついているが、羽化殻──つまり終齢幼虫にもある器官。先日ファーブル昆虫記で読んでハリサシガメとよく似ていると感じたセアカクロサシガメだが──標本図を見るとセアカクロサシガメには、レガースはついていなかった。




ハリサシガメは成虫も幼虫もアリを捕食する。アリを狩るときは前脚と中脚の4本の脚でしっかり押さえ込んで口吻を刺すのだが、レガースはアリを押さえるさいに滑らないように──アリの体表面にフィットしてグリップ力を増す役割りを果たしているのではないかと僕は考えている。狩りのさいに(獲物を押さえるのに)使われない後脚には、この器官はない。
ハリサシガメが前後&中脚を使って獲物をコントロールするようすを【本とは違う!?ハリサシガメ】から再掲載↓。




今回見つけた羽化殻の大きさは……直径20mmの1円玉と比べると、こんな感じ↓。


アリを捕食するカメムシ

アリはどこにでもいるものだが、その割にアリをエサとする捕食者は少ない気がする。アリジゴク(ウスバカゲロウの幼虫)なんていう有名どころはいるが、ハリサシガメのようにアリを狩る昆虫は珍しいのではないだろうか?
しかし、アリを狩るカメムシは他にもいた──。


葉上の小さな虫影──目に入ったときは極小のハエかと思った。よく見ると小さなカメムシでアリの頭部に口吻を突き刺している。


オオメナガカメムシ──体長5mm前後ということだが、もっと小さく感じた。葉の表面の微細な棘(?)──肉眼では気づかない──と比べても、小ささがわかる。オオメナガカメムシはアリの他にも小さな昆虫を捕食する雑食性(植物の汁も吸う)カメムシだそうだ。


ハリサシガメの単眼&脛節など

ハリサシガメの単眼と複眼



雨上がりの石垣にハリサシガメ成虫♂が出ていた。背中や脚に水滴がついている。


ハリサシガメがいつ、どんな場所でどのような形の卵を産みつけるのか……卵で越冬するのか孵化して幼虫で越冬するのか……このあたりのことを僕は知らない。運良く産卵のシーンにでも出くわさないものかと密かに虫の良いことを期待しているのだが、ままならず。
とりあえず成虫の姿を見ることはできたので、ハリサシガメの単眼と複眼を確認してみることに。






ハリサシガメの脛節(けいせつ)



ハリサシガメを見ていてユニークだと感じるのは、前脚と中脚の脛節(けいせつ:ヒトでいえば膝から足首にかけての部分)の内側部分。ここに「脛(すね)当て」(レガース)のようなカバー(?)がついている。これまでカバーのある前脚・中脚ばかりに注目してきたが、後脚はどうなっているのか……ちゃんと記録していなかったので、前脚・中脚・後脚それぞれの脛節を比較してることにした。


中脚と後脚は8月に拾った成虫♂の死骸を撮ったもの。
ハリサシガメはエサであるアリを狩ったりコントローするときに前脚と中脚を使う。そのさいにアリを押さえるのは、この脛当て部分だ。アリにフィットし(?)接面積を増やすことでグリップ力を高めているのではないかと僕は想像している。捕食のさい使わない後脚には、この器官はない。





最近石垣で見かけた生きもの



オオモンシロナガカメムシはこの石垣周辺でみられるカメムシの一つ。ハリサシガメより小さく敏捷。
石垣で日光浴していたニホンカナヘビの幼体。


石垣上で見かけることは少なく、葉の上にいることが多い。


この石垣で出会う爬虫類はヒガシニホントカゲが圧倒的だが、ニホンヤモリやアオダイショウの幼蛇と出会うこともある。


成体とはまるで違うルックスのアオダイショウの幼蛇。整然と並んだウロコが美しい。


成体とは異なるこの模様が、しばしばマムシ(の銭形模様)と間違われる。

レガースで獲物を保定するハリサシガメ

石垣上のハリサシガメ♂



9月も半ばを過ぎると見かける頻度が少なくなったハリサシガメ。このところエサとなるアリの活動も衰えてきた感じがする。シーズンも終焉に近づいている気がしないでもないが……10月に入ってからも頑張っている(?)個体がいた。


このハリサシガメ♂は腹端から交尾器がのぞいている。収納ギミックが故障しているのだろうか。よく見ると背中(小楯板)の棘状突起も先端が欠けていた。


前日、ほぼ同じ場所で確認した時は、棘状突起はまだ欠けていなかったのだが……↓。


棘状突起が欠けるというのは、いったいどういう状況で起こるのだろう? 欠けるほどの負荷がかかったということは、この突起にも何らかの働き(役割り)が課せられているということなのだろうか?

レガース(脛当て)でアリを制御するハリサシガメ♀

棘状突起が欠けたオスを観察していると、近くにハリサシガメ♀が現われた。口吻にアリを刺したまま石垣の上を急ぎ足で移動すると、隙間に身を隠して食事を始めた。


ハリサシガメは狩りをするときには前脚と中脚を駆使して獲物のアリを押さえ込むが、口吻を刺し、しとめたあとは脚を離して通常の姿勢に戻る。


前脚と中脚の脛節(けいせつ:ヒトでいえば膝から足首にかけての部分)の内側に「脛(すね)当て」(レガース)のような器官(海綿窩?)がある。これは獲物であるアリをしっかり押さえ込むとき、グリップ力を高める働きをしているのではないか──と僕は考えている。


食事中、針のような口吻を刺しなおすときにも、前脚と中脚を使って獲物をコントロールする。


獲物を保定するさいに、滑らないようにレガース部分で押さえているように見える。
口吻が打ち込まれると、獲物を押さえていた脚を離す。


食事中は位置を変えて何度も口吻を刺しなおすが、そのたびに前脚と中脚を使ってアリを動かし保定する。








画面右側に頭を向けているアリ↑の、向きを反転させた↓ハリサシガメ♀。




食事を続けるハリサシガメ♀だが……その近くには棘状突起が欠けたオスがいる。

ハリサシガメ・ペア不成立



食事中のハリサシガメ♀と、冒頭のオスとの位置関係は、こんな↑ぐあい。
それまで石垣の上でじっとしていたオスが、フェロモンでも察知したのか(?)、突如メスの方に動きだした。


あれよあれよといううちにメスに近づいたオス↑は、あっという間にメスにとびついた↓。


メスは抵抗し、2匹はもつれあって石垣から落下。地面で別々の方向へ走り去って、交尾は未成立に終わった。

ハリサシガメ♂の腹端



少し経つと、オスは石垣の上に戻っていた。腹端(生殖節)の収納ギミックが壊れている(?)のは、あいかわらず。


どういう仕組みで交尾器が展開したり収納したりするのかは僕にはわからないが……正常な収納状態の腹端はこんな↓。


交尾器がきれいに収納されている。今年8月に拾ったハリサシガメ♂の死骸を仰向けにして撮ったもの。


ハリサシガメぷちまとめ2

昨年7月下旬、初めて出会った珍虫ハリサシガメ。今年は5月末に幼虫を確認してから、注目してきた。謎はまだまだ多いけれど、わかってきたこと・気がついたコトなどを改めて少しまとめておくことにした。昨年の【ハリサシガメぷちまとめ】につづいくパート2ということで。

ユニークで個性豊かな?ハリサシガメ幼虫



雑木林のふちにあたる石垣で見られるハリサシガメ。この昆虫の最もユニークなところは、幼虫が異物をまとって全身を覆い隠していることだろう。土粒を体中にコーティングし、アリの死骸やゴミをデコレーションしている。背中に盛りつけられるデコ(レーション)素材は色々。捕食したアリも背負うが、アリが巣から廃棄したと思われる虫の残骸やアリの繭(抜け殻)・死骸なども利用しているようだ。


デコ素材の中には奇抜な(?)コレクションも見受けられるが、念入りな土粒コーティング&異物デコレーションを行うのはカムフラージュのためだろう。ハリサシガメは捕食性カメムシで餌となるのはもっぱらアリ。獲物を得るにはアリの行動圏内に入らなくてはならない。万一、アリに気づかれ集団で反撃されたらかなわない。狩りのさいもアリに悟られずに近づく(待ち伏せする)ことが重要だ。アリはあまり視力が良くないという。触れてニオイで相手を確認するアリに対し、ハリサシガメ幼虫は体の表面を土粒でおおい隠し、アリが廃棄したゴミを身にまとうことでアリを欺いている(ように見える)。チェックに来るアリがいても、自分たちが捨てた用済みのゴミと判ればスルー。デコられたアリの死骸に興味を示すこともあるが、本体のハリサシガメ幼虫には気がつかない──コーティング&デコレーションはアリに対する《隠れ蓑(かくれみの)》なのかもしれない。アリの行列のそばで狩りをするハリサシガメ幼虫を観察したことがあったが、アリはすぐそばで仲間が捕食されているというのにまったくの無反応──ハリサシガメ幼虫の存在に気づきもしないようだった。
また、ハリサシガメ幼虫のボディラインを隠し撹乱するこのコーティング&デコレーションは、視覚にたよって狩りをする昆虫ハンターに対してもカムフラージュの効果があるに違いない。ハリサシガメが見られる石垣では、昆虫ハンター・ヒガシニホントカゲの姿も多く、両者のニアミスはしょっちゅう。接触するシーンを見かけることもあるが、ヒガシニホントカゲは(も)ハリサシガメ幼虫には全く関心を示さない。


同種の昆虫はどれも同じように見えるものだが、ハリサシガメ幼虫に関しては、デコ素材やそのレイアウトがそれぞれ違っているので1匹1匹に個性を感じる。デコ・コレクションを鑑賞するのも楽しい。

デコ素材は後脚で盛る

異物を背中に盛るというユニークな特徴を持つハリサシガメ幼虫だが、どのようにデコっているのだろう? 中には脚が届かないほど高く積み上げられたデコレーションを背負っている個体もいる。デコ素材が貼り付くしくみについては、まだよくわからずにいるが、盛りつけ行動は今年何度か目にする機会があった。捕食後のアリを後脚を使って、すでにデコられた素材と腹の背面の間に押し込むようすは、こんな──↓。


捕らえたアリの体液を吸い終えると、アリの死骸は股をくぐって後脚に渡され、両後脚で腹端側から背中に押し込まれる↓。


可動範囲が広い後脚(青矢印)でアリをぐいぐい押し込もうとする……。


こうして背中にたくさんの異物を盛りつけるハリサシガメ幼虫だが……脱皮のとき、背中のデコ素材はどうするのだろう?──というのが、咋シーズン解明できなかった謎の1つだった。昨年は羽化後の抜け殻を見ることができたが、抜け殻にはデコ素材が残されていたので驚いた↓。


ハリサシガメは成虫になるとコーティング&デコレーションをしない。だから抜け殻にデコ素材が残されているのはわかるが……背中を割って成虫が出てくる際にデコ素材はジャマにならないのだろうか?
そして考えたのが、「羽化」ではなく「脱皮」の場合。またコーティング&デコレーションをしなければならない幼虫の場合は、どうするのだろう? 脱皮前のデコ素材は古い表皮の──抜け殻となる部分の外側に貼り付いている。脱皮したばかりの新幼虫は当然「丸裸」のはずだ。コーティング&デコレーションの再開を始めるのはいつからなのだろう?
もしデコ素材で使われるのが「捕食した獲物だけ」だったとすると、脱皮直後はデコレーションなしで狩りをしなければならなくなる。狩りに必要な《隠れ蓑》ともいえる(?)隠蔽装備なしに「丸裸」で狩りをするというのは考えにくい。おそらく……脱皮をすると、体が固まった時点でアリのゴミ捨場に行ってデコ素材を調達するのではないか──そんな想像をしていた。ところが、実際は……。

デコ素材は再利用~驚きの脱皮



石垣の上に残されていたハリサシガメ幼虫の(羽化ではなく)脱皮の抜け殻↑。頭部背面から背中にかけて新幼虫が抜け出した裂け目が残されている。今年はいくつかこうした抜け殻を見ることができた。「!」と思ったのは、背負われていたはずのデコ素材がきれいに剥ぎ取られていることだ。ハリサシガメ幼虫は脱皮した後、抜け殻から、デコ素材を引きはがして再利用しているらしい。
考えてみれば《デコ素材の再利用》は合理的だ。その《荷移し》はどのように行なわれるのだろう? 背中が割れて脱皮する際にデコ素材はジャマになるだろうから、脱皮前に剥がしておいて、脱皮後に拾うのだろうか?
実際に脱皮のようすを見て確かめてみたいものだと思っていたところ、そのチャンスがおとずれた。


石垣の隙間でみつけた脱皮前の幼虫↑。実際は鉛直面で頭を下にとまっていた(画面左が下側)。これが、この後……↓。


予想もしていなかった《デコ素材をまといながらの脱皮》──そのため脱皮が始まったことにに気づくのが遅れてしまった。脱皮前の幼虫/脱皮後は抜け殻の脚の位置(矢印)は変わっていない。
この約30分後↓、体の色が濃くなりつつあるハリサシガメ幼虫。


脱皮前、デコ素材と新幼虫の背中の間には古い表皮(抜け殻)があって、これによって隔てられていたはずだ。なのに抜け殻を脱ぎ捨てるとデコ素材は、ちゃんと新幼虫の背中に移っている!?──何ともフシギな光景に見えた。テーブルクロスを敷いた食卓の上に食器や花瓶を並べ、一瞬でテーブロクロスだけを引き抜き、食器や花瓶を食卓の上に残す──そんな「テーブルクロス引き抜き」芸を連想してしまった。
この後の展開と思われるシーンは、時を前後して石垣の上で目撃していた↓(別個体)。


抜け殻がデコ素材にくっついてきてしまったようだ。テーブロクロスが引き抜ききれなかった形!?


このときの抜け殻は完全離脱した時点で両触角が折れていた──それだけ離脱に手こずったケースだったのだろう。まるで《抜け殻と新幼虫の間でデコ素材の奪い合いをしている》かのようで、これも何ともフシギな光景だった。
抜け殻もついでにデコってしまえば良さそうなものだが、苦労してまで切り離すのには理由があるのだろう。ハリサシガメ幼虫がアリとの接触で(ニオイで)バレないように体表面を土粒でおおい隠しているのだとすれば、自身の(ニオイのついた)抜け殻をデコらずに排除するのは理にかなっている。

凛々しい成虫は翅多型



体を覆い隠していた幼虫時代から一転!? ハリサシガメの成虫は凛々しく見える。濃淡のある黒い背中に逆「ハ」模様が美しい。前胸背の両側に突き出した突起(側角)や小楯板から突き出した厳めしい突起にも魅力を感じる。


ルックスが精悍になっただけでなく、動きも成虫は幼虫のときより俊敏になっている。これは《隠れ蓑》を捨て、獲物や天敵から見つかりやすくなったことを考えると当然なのかもしれない。なぜ成虫になって《隠れ蓑》を捨てたのかという疑問が湧くが……繁殖という重要な役割りを担う成虫では伴侶を見つけるさいに《隠れ蓑》はかえって障害になるのかもしれない。また、昆虫の成虫は飛翔能力を持つものが多いが、翅を開閉するときコーティング&デコレーションはジャマになるのではないか──という可能性についても当初は考えた。しかしこれまで僕はハリサシガメが飛翔したり飛ぼうとするところを見たことがない。ハリサシガメは飛ぶことができないのではないか……と(今のところ)思っている。
トレードマークの逆「ハ」模様がある翅だが、個体によって翅の大きさ(長さ)にはかなり格差がある(翅多型)。少なくとも短翅型の個体には飛翔力はなさそうだ。今年これまでに見られた成虫の中から↓。




短翅型と長翅型の2極に分化するのではなく、その中間型も存在している。同じ時期に同じ場所で発生しているのに、これだけ違うというのもフシギな気がする。前胸背の側角の間にある紋にも個体差がある。

前脚&中脚のレガースは保定用!?



ハリサシガメを観察していて気がついた、前脚と中脚の脛節(けいせつ)内側にある《脛(すね)当て》(レガース)のようなもの。これは成虫だけでなく幼虫にもある。ハリサシガメは成虫も幼虫もアリを捕食するが、狩りの際には前脚と中脚を使って獲物を押さえる。そのさいに小さなアリでもしっかり保定できるよう、ラバーのような(?)《脛当て》部分でグリップ力を高めているのではないかという気がする。


『日本原色カメムシ図鑑 第3巻』(石川忠・高井幹夫・安永智秀/全国農村教育協会)には、クビアカサシガメ亜科(ハリサシガメ属が含まれる)の項目に特徴の1つとして「海綿窩が前・中脚脛節に存在する」と記されている。用途についての記述は無いが……《海綿窩》というのが、この《脛当て》のことなのだろうか。

成虫♂♀は腹の形が違う

最後にハリサシガメ成虫を見ていて気づいたオスとメスの腹の形の違い。




前回の記事で記したばかりなので、詳細は省くが、ハリサシガメこの体勢で交尾している姿をよく見る。オスの腹の湾曲は、この体勢でメスの腹の膨らみに対応した形のように見える。

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