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今季初フユシャク確認

今シーズン初のフユシャク(冬尺蛾)を確認
雪をかぶった富士山が見える狭山丘陵では、さほど落葉は進んでいない。葉をすっかり落とした木もあるが、まだ緑色の葉をつけたコナラやカエデもある。そんな中、今シーズンも初フユシャクを確認。今シーズン初のフユシャクはクロスジフユエダシャクだった。
今回の画像はないが……こんな蛾だということで昨年の画像から⬇。

01黒筋冬枝尺ペアA
02黒筋冬枝尺ベアB

今シーズン初のクロスジフユエダシャク:オス&メス&婚礼ダンス
昨日(11/29)、雑木林の縁で低く飛ぶクロスジフユエダシャクのオスを確認──これが今シーズン初のフユシャク(冬尺蛾)だった。とまりそうでとまらずに飛び続けるクロスジフユエダシャク♂──メスを探しているが見つからないときの飛び方だ。
おそらくオスはメスより早めに羽化しているのではないかと思うのだが、メスがいなければ飛ぶのを止めて待機状態に入る──まだ、とまっているオスが多いので(枯葉にまぎれて見つけにくいために)目にとまる個体が少ないのだろう。この日目にしたオスはこの1匹だけだった。
メスが現われれば飛翔するオスが目につくようになるはず──そう思って今日(11/30)、前日オスを確認した場所に行ってみると、10匹前後のオスが飛んでいた。そのうち数匹は比較的狭い範囲に集中しており、婚礼ダンス(はばたき歩行)をしているものもいる。メスが近くにいる──そう思って近づくと、低い植込みの枝にとまっているクロスジフユエダシャクのメスが目に入った。今シーズン初のフユシャク♀である。ふつうは落葉の葉の裏に隠れてオスを(フェロモンで)呼び寄せるのだが、まだ落葉が少ないせいもあってか、このメスはヒト(僕)の目にとまりやすい枝にとまっていた──そのおかげで、僕は婚礼ダンスでニオイをたぐって♀を探り当てるクロスジフユエダシャクのオスたちより早くメスを見つけることができた。ほどなく婚礼ダンスするオスの1匹がメスに到達し交尾が成立。今シーズン初の婚礼ダンス&ペアとなった。

この時期になると、期間限定のクロスジフユエダシャクの婚礼ダンスによるペアリングは見ておかないと……という気になるが、婚礼ダンスはいつでも簡単に見られるものでもない。オスは飛べども婚礼ダンスがなかなか始まらない……ということも少なくない。一方、たまたま通りかかった時に婚礼ダンスが始まることもある──昆虫観察は運任せのようなところがある。
それが、今シーズンは初フユシャク♀を確認したとたん、ほぼ待機時間0でに初婚礼ダンスによるペア成立を観察できたというラッキーな出だしとなった。夏休みの宿題が初日に片付いてしまったみたいな感じ?


まるで別種なフユシャクの♂と♀〜冬尺蛾記事一覧

フユシャクの婚礼ダンス
クロスジフユエダシャクはなぜ隠れて交尾するのか
意外な翅の役割り!?クロスジフユエダシャク
昆虫など〜メニュー〜
チャンネルF+〜抜粋メニュー〜
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冬尺蛾の他人の関係

フユシャクの『他人の関係』

フユシャクの時期になると脳内再生される曲がある。
カメラが壊れているので過去の画像から──。





(※【振袖フユシャク【卒】を探せ~トギレフユエダシャク♀】より↑)


(※【ヒロバフユエダシャクのツーショットより↑)
フユシャク(冬尺蛾)ウォッチをしていると、オスとメスがすぐ近くにとまっていることがある。おそらく交尾後のペアなのだろう。フユシャクはオスとメスで、まるっきり姿が異なっているということもあるのだろうが……互いに別々の方を向き、他人のようによそよそしく見える。そんな姿を見ると思い起こされるのが金井克子の歌う『他人の関係』──。距離を置いてとまるフユシャクの映像に、「バンバンババンバン」というスキャットがBGMのように脳内再生されるのである。




ツーコーラスの歌い出し──「愛した後 おたがい 他人の二人 あなたはあなた そして 私はわたし」というフレーズが、この状況に、妙に合っている気がするのは僕だけであろうか?

調べてみると金井克子の『他人の関係』は1973年──46年も前の曲。僕はこの歌が好きだったわけでもなく、金井克子のファンでもないのだが、虫見をするようになり、フユシャクを見るようになって、突然この歌が脳内再生されるようになった。昭和のヒット曲はけっこう耳に残るものなのかもしれない!?

※金井克子 他人の関係→https://www.youtube.com/watch?v=sVoZOmbu7Iw

イチモジフユナミシャク・ペア~特大♀

元日のイチモジフユナミシャク・ペア



2018年の撮り納めは12月31日のイチモジフユナミシャク♀美麗個体だったが、2019年の撮り始めもイチモジフユナミシャクとなった。大晦日に続き、元日サクラッチ(桜ウォッチ)では、大枝で交尾中のイチモジフユナミシャクのペアを発見。僕は夜間の虫見はしないので、夜行性のイチモジフユナミシャクの交尾を見るのは初めて──午前9時半頃だった。しかし、TG-2で撮るには高い……。年明け早々にイチモジフユナミシャク・ペアが見ることができたのは幸先が良い気もするが……それを接写できないのは幸先が悪いのか? とりあえず証拠写真程度のものを撮るにとどまった。オスの翅が風にあおられ、パタパタしていた。


産卵後のイチモジフユナミシャクも増えてきている。


卵を産み終えたイチモジフユナミシャク♀は腹が縮んでプロポーションが激変してしまう。縮んだ腹に対して翅の割合が大きく見え、フユシャクを見始めた頃は産卵前後の個体を別の種類だと思っていた。
産卵後のしおれたメスに対し、卵を満載してぷっくりした新鮮なメスもいた↓。


水色の前翅に黒帯模様がくっきり入ったイチモジフユナミシャク♀だった。




こちらは前翅の黒帯模様が分断したメス↓。サクラの幹のやや高い位置にとまっていたので、プチ木登りで撮影。




うっすらと射した陽を受けてきらめく新鮮な鱗粉が美しい。腹部背面の黒紋は不明瞭なメスだった。
石碑にとまっているイチモジフユナミシャク♀も──↓。


背後にあるサクラの木で発生したのだろう。これは腹部背面の黒紋が明瞭な個体だった。




産卵前のメスの腹はぷっくりして可愛らしい。きれいなフォルムのメスを見ることができて元日のサクラッチは満足して帰ったのだが……翌日、大迫力のメスを発見することになる。

特大のイチモジフユナミシャク♀



太いサクラの古木の根元付近にとまっていたイチモジフユナミシャク♀。翅に比べると、その腹がいかに大きいかがわかる。


産卵前後で体型に差があることは前述のとおりだが、標準的な産卵前のメスに比べても別種のようなボリュームを感じさせる腹……元日に見た産卵前のイチモジフユナミシャク♀をサンダーバード1号とするなら、これはサンダーバード2号!(例えが古い)
この大型メスと前日見た産卵後♀と比較すると──↓。


別個体での比較ではあるが、格差がすごい。メスの大型化──卵をたくさん生産できたのは、それだけ生育条件が良かったということなのだろうか? 体内での卵の生産ライン(ワンサイクルでn個を作る)が通常より多めに回転(稼働)することで卵の数がどっと増えるのかもしれない?

地衣類擬態のイチモジフユナミシャク♀

一方、腹がしぼみかけたイチモジフユナミシャク♀が、地衣類が広がるサクラの幹にとまっていた。


イチモジフユナミシャク♀の前翅の空色──あわいブルー~グリーンはサクラの樹皮にありがちな地衣類の色に似ている。これには地衣類に隠蔽擬態する効果があるのではないかと考えているのだが、こういうシーンを見ると、その効果はあるように思われる。


水色の前翅に入る黒帯模様は樹皮に発生した地衣類の裂け目のようにも見え、ボディーラインを分断してかく乱するデザインという気がする。
イチモジフユナミシャク♀を探して桜ウォッチをしていると、フユシャクサイズの地衣類のかたまりに反応してしまうことがある。普通に見ていれば、サクラの幹上のイチモジフユナミシャク♀が視界に入っても地衣類のかたまりとしてスルーされてしうのではないかと思う。


クロバネフユシャクのペア他

今シーズンは早め!?クロバネフユシャクのペア



雑木林の木柵にとまっているフユシャクを見つけた。フユシャク亜科のクロバネフユシャク♂のようだ(フユシャクには他にエダシャク亜科やナミシャク亜科の種類がいる)。本来出始めるのは1月らしいが、12月中旬での確認となった。幼虫はクヌギやコナラを食べる関東では普通に見られる蛾だが、全国的には、そうでも無いらしい(?)。交尾に出会うのは難しい種とされている──という情報もあるようだ。最初に目にとまったのはオスだが左の翅が浮いていて、ちょっと怪しい……よく見ると、メスが隠れていた。


クロバネフユシャクのオスには飛翔可能な翅があるが、メスの翅は退化して消失している。


オスとメスは単独ショットでは一見全然違う種類の昆虫のように見えるが、ペアショットでは、これでも同じ種類の成虫であることがわかる。


この画像では見えていないが、メスの腹端には化粧筆(フェイスブラシ)のような毛束があって、産卵のさいに卵塊をおおうコーティング素材として使われる(→【フユシャクの産卵&コーティング】)。

フユシャク亜科のフユシャク♀も出てきた



フユシャク亜科のフユシャクの単独ショット。メスだけでは(僕には)種類がよくわからない。同個体の側面ショット↓。


腹端の化粧筆(フェイスブラシ)のような毛束は、産卵のさいに卵塊をおおうコーティング素材として使われる(→【フユシャクの産卵&コーティング】)。
別の擬木でも↓。


ホルスタインちっくなチャバネフユエダシャク♀



翅が消失したフユシャクでも、フユシャク亜科とはずいぶんと雰囲気が異なるチャバネフユエダシャク♀(エダシャク科のフユシャク)。


別の擬木にとまっていたチャバネフユエダシャク♀↓。


さらに別の別の擬木にて──↓。


やや腹がへこみぎみのチャバネフユエダシャク♀↓。




今季は多い気がするクロオビフユナミシャク



翅が消失したフユシャクとは対照的に、メスの翅が大きめのフユシャク・クロオビフユナミシャク(ナミシャク科のフユシャク)。もちろんオス↓と比べれば翅が退化していることはあきらか。


今シーズンはクロオビフユナミシャクが多いように感じる。このメスの鱗粉がテカったり浮き上がって見えたり──撮影状況によって雰囲気がかなり変わるのは前の記事(【クロオビフユナミシャク♀きらめく鱗粉】)で記した通り。





翅の大きさが違う冬尺蛾3種

フユシャク(冬尺蛾)が見られる時期になった。「フユシャク」は年1回、冬に成虫が出現し、メスは翅が退化して飛ぶことができないというユニークな特徴を持ったシャクガ科の蛾の総称。昆虫なのに(虫にとって活動しにくいと思われる)冬に現れるとか、蛾なのにメスは飛翔能力を捨ててしまったという点が興味深い。「どうして、そんなことになってしまったのか?」と想像力を刺激する。飛ぶことができるオス(一見ふつうの蛾)とかけ離れたメスの容姿もおもしろい。活動している昆虫が少ない時期──冬の「主役」ともいえる昆虫だ。

翅が消失したチャバネフユエダシャクのメス



冬に現れる、この奇怪な虫↑──チャバネフユエダシャク♀を知らずに初めて見たときは、いったい何の仲間なのか見当もつかなかった。イモムシにしては脚が長いし、ジョロウグモの仲間にしては、脚は6本……昆虫なのであろう。昆虫の成虫なら翅があってもよさそうなものだが、この虫には無い……。翅の無い昆虫ということでカマドウマを思い浮かべたりもしたが、それともまた雰囲気が違う……。これが冬に出現する蛾のメスだと知った時は大いに驚いた。


フユシャクは種類によってメスの翅の退化の度合いにかなり格差があって、チャバネフユエダシャクではメスの翅はほとんど消失している。蛾の特徴である翅がなく、オスとは似ても似つかないホルスタインちっくな容姿のため、最初はとてもこれが蛾の成虫だとは思えなかったわけだ。
これでもちゃんと蛾である証拠に──以前の記事からペアショットを──↓。


※【チャバネフユエダシャクのペア】より再掲載↑。
今回みつけたチャバネフユエダシャク♀と同じコンクリート壁にとまっていた。

フユシャクとしては大きめの翅を持つクロオビフユナミシャク♀



翅が消失したチャバネフユエダシャク♀とは対照的に、フユシャクの中では大きめの翅を持つクロオビフユナミシャクのメス。これなら、なんとなく蛾の仲間であると想像できる。




体色や模様のコントラストは個体によって変異がある。
やはり擬木で見つけたクロオビフユナミシャク♀↓




フユシャクのメスとしては大きめの翅だが、オス↓と比べると退化していることは明らか。


小さな翅が魅力のクロスジフユエダシャク♀



今シーズン何度か記事にしているクロスジフユエダシャクのメス。


翅は退化して小さいが、ちゃんと4枚(前翅と後翅が1対ずつ)あるのがわかる。小さな翅は可愛らしいアクセントでもあり、完全に消失した種類よりも、むしろ「退化した感」が漂ってくる気がしないでもない。
もちろん、オスは飛翔能力のある翅を持っている↓。


オスもメスも個体によって大きさに差があるが、立派な体格のクロスジフユエダシャク♀↓。


小さな翅を広げてとまった姿勢はりりしさを感じさせる。


なんちゃって冬尺蛾!?なアカシデ種子(果苞)ほか



この時期、木の幹や擬木に付いているアカシデのタネ(果苞)は、ちょっとフユシャク♀に見えなくもない!? フユシャク♀がこうした植物片に擬態しているとは思わないが(それほどの擬態効果があるのかは疑問)、フユシャクに興味を持って探し始めた頃はしばしば騙された。



やはりこの時期に見られるカバエダシャク↑。シャクガ科の蛾だが、メスにも翅があって、フユシャクではない。
体色と似た色合いの幹にとまっていると隠蔽擬態効果抜群のキノカワガだが……ずいぶん目立つところにとまっていた↓