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冬尺蛾の他人の関係

フユシャクの『他人の関係』

フユシャクの時期になると脳内再生される曲がある。
カメラが壊れているので過去の画像から──。





(※【振袖フユシャク【卒】を探せ~トギレフユエダシャク♀】より↑)


(※【ヒロバフユエダシャクのツーショットより↑)
フユシャク(冬尺蛾)ウォッチをしていると、オスとメスがすぐ近くにとまっていることがある。おそらく交尾後のペアなのだろう。フユシャクはオスとメスで、まるっきり姿が異なっているということもあるのだろうが……互いに別々の方を向き、他人のようによそよそしく見える。そんな姿を見ると思い起こされるのが金井克子の歌う『他人の関係』──。距離を置いてとまるフユシャクの映像に、「バンバンババンバン」というスキャットがBGMのように脳内再生されるのである。




ツーコーラスの歌い出し──「愛した後 おたがい 他人の二人 あなたはあなた そして 私はわたし」というフレーズが、この状況に、妙に合っている気がするのは僕だけであろうか?

調べてみると金井克子の『他人の関係』は1973年──46年も前の曲。僕はこの歌が好きだったわけでもなく、金井克子のファンでもないのだが、虫見をするようになり、フユシャクを見るようになって、突然この歌が脳内再生されるようになった。昭和のヒット曲はけっこう耳に残るものなのかもしれない!?

※金井克子 他人の関係→https://www.youtube.com/watch?v=sVoZOmbu7Iw

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イチモジフユナミシャク・ペア~特大♀

元日のイチモジフユナミシャク・ペア



2018年の撮り納めは12月31日のイチモジフユナミシャク♀美麗個体だったが、2019年の撮り始めもイチモジフユナミシャクとなった。大晦日に続き、元日サクラッチ(桜ウォッチ)では、大枝で交尾中のイチモジフユナミシャクのペアを発見。僕は夜間の虫見はしないので、夜行性のイチモジフユナミシャクの交尾を見るのは初めて──午前9時半頃だった。しかし、TG-2で撮るには高い……。年明け早々にイチモジフユナミシャク・ペアが見ることができたのは幸先が良い気もするが……それを接写できないのは幸先が悪いのか? とりあえず証拠写真程度のものを撮るにとどまった。オスの翅が風にあおられ、パタパタしていた。


産卵後のイチモジフユナミシャクも増えてきている。


卵を産み終えたイチモジフユナミシャク♀は腹が縮んでプロポーションが激変してしまう。縮んだ腹に対して翅の割合が大きく見え、フユシャクを見始めた頃は産卵前後の個体を別の種類だと思っていた。
産卵後のしおれたメスに対し、卵を満載してぷっくりした新鮮なメスもいた↓。


水色の前翅に黒帯模様がくっきり入ったイチモジフユナミシャク♀だった。




こちらは前翅の黒帯模様が分断したメス↓。サクラの幹のやや高い位置にとまっていたので、プチ木登りで撮影。




うっすらと射した陽を受けてきらめく新鮮な鱗粉が美しい。腹部背面の黒紋は不明瞭なメスだった。
石碑にとまっているイチモジフユナミシャク♀も──↓。


背後にあるサクラの木で発生したのだろう。これは腹部背面の黒紋が明瞭な個体だった。




産卵前のメスの腹はぷっくりして可愛らしい。きれいなフォルムのメスを見ることができて元日のサクラッチは満足して帰ったのだが……翌日、大迫力のメスを発見することになる。

特大のイチモジフユナミシャク♀



太いサクラの古木の根元付近にとまっていたイチモジフユナミシャク♀。翅に比べると、その腹がいかに大きいかがわかる。


産卵前後で体型に差があることは前述のとおりだが、標準的な産卵前のメスに比べても別種のようなボリュームを感じさせる腹……元日に見た産卵前のイチモジフユナミシャク♀をサンダーバード1号とするなら、これはサンダーバード2号!(例えが古い)
この大型メスと前日見た産卵後♀と比較すると──↓。


別個体での比較ではあるが、格差がすごい。メスの大型化──卵をたくさん生産できたのは、それだけ生育条件が良かったということなのだろうか? 体内での卵の生産ライン(ワンサイクルでn個を作る)が通常より多めに回転(稼働)することで卵の数がどっと増えるのかもしれない?

地衣類擬態のイチモジフユナミシャク♀

一方、腹がしぼみかけたイチモジフユナミシャク♀が、地衣類が広がるサクラの幹にとまっていた。


イチモジフユナミシャク♀の前翅の空色──あわいブルー~グリーンはサクラの樹皮にありがちな地衣類の色に似ている。これには地衣類に隠蔽擬態する効果があるのではないかと考えているのだが、こういうシーンを見ると、その効果はあるように思われる。


水色の前翅に入る黒帯模様は樹皮に発生した地衣類の裂け目のようにも見え、ボディーラインを分断してかく乱するデザインという気がする。
イチモジフユナミシャク♀を探して桜ウォッチをしていると、フユシャクサイズの地衣類のかたまりに反応してしまうことがある。普通に見ていれば、サクラの幹上のイチモジフユナミシャク♀が視界に入っても地衣類のかたまりとしてスルーされてしうのではないかと思う。


クロバネフユシャクのペア他

今シーズンは早め!?クロバネフユシャクのペア



雑木林の木柵にとまっているフユシャクを見つけた。フユシャク亜科のクロバネフユシャク♂のようだ(フユシャクには他にエダシャク亜科やナミシャク亜科の種類がいる)。本来出始めるのは1月らしいが、12月中旬での確認となった。幼虫はクヌギやコナラを食べる関東では普通に見られる蛾だが、全国的には、そうでも無いらしい(?)。交尾に出会うのは難しい種とされている──という情報もあるようだ。最初に目にとまったのはオスだが左の翅が浮いていて、ちょっと怪しい……よく見ると、メスが隠れていた。


クロバネフユシャクのオスには飛翔可能な翅があるが、メスの翅は退化して消失している。


オスとメスは単独ショットでは一見全然違う種類の昆虫のように見えるが、ペアショットでは、これでも同じ種類の成虫であることがわかる。


この画像では見えていないが、メスの腹端には化粧筆(フェイスブラシ)のような毛束があって、産卵のさいに卵塊をおおうコーティング素材として使われる(→【フユシャクの産卵&コーティング】)。

フユシャク亜科のフユシャク♀も出てきた



フユシャク亜科のフユシャクの単独ショット。メスだけでは(僕には)種類がよくわからない。同個体の側面ショット↓。


腹端の化粧筆(フェイスブラシ)のような毛束は、産卵のさいに卵塊をおおうコーティング素材として使われる(→【フユシャクの産卵&コーティング】)。
別の擬木でも↓。


ホルスタインちっくなチャバネフユエダシャク♀



翅が消失したフユシャクでも、フユシャク亜科とはずいぶんと雰囲気が異なるチャバネフユエダシャク♀(エダシャク科のフユシャク)。


別の擬木にとまっていたチャバネフユエダシャク♀↓。


さらに別の別の擬木にて──↓。


やや腹がへこみぎみのチャバネフユエダシャク♀↓。




今季は多い気がするクロオビフユナミシャク



翅が消失したフユシャクとは対照的に、メスの翅が大きめのフユシャク・クロオビフユナミシャク(ナミシャク科のフユシャク)。もちろんオス↓と比べれば翅が退化していることはあきらか。


今シーズンはクロオビフユナミシャクが多いように感じる。このメスの鱗粉がテカったり浮き上がって見えたり──撮影状況によって雰囲気がかなり変わるのは前の記事(【クロオビフユナミシャク♀きらめく鱗粉】)で記した通り。





翅の大きさが違う冬尺蛾3種

フユシャク(冬尺蛾)が見られる時期になった。「フユシャク」は年1回、冬に成虫が出現し、メスは翅が退化して飛ぶことができないというユニークな特徴を持ったシャクガ科の蛾の総称。昆虫なのに(虫にとって活動しにくいと思われる)冬に現れるとか、蛾なのにメスは飛翔能力を捨ててしまったという点が興味深い。「どうして、そんなことになってしまったのか?」と想像力を刺激する。飛ぶことができるオス(一見ふつうの蛾)とかけ離れたメスの容姿もおもしろい。活動している昆虫が少ない時期──冬の「主役」ともいえる昆虫だ。

翅が消失したチャバネフユエダシャクのメス



冬に現れる、この奇怪な虫↑──チャバネフユエダシャク♀を知らずに初めて見たときは、いったい何の仲間なのか見当もつかなかった。イモムシにしては脚が長いし、ジョロウグモの仲間にしては、脚は6本……昆虫なのであろう。昆虫の成虫なら翅があってもよさそうなものだが、この虫には無い……。翅の無い昆虫ということでカマドウマを思い浮かべたりもしたが、それともまた雰囲気が違う……。これが冬に出現する蛾のメスだと知った時は大いに驚いた。


フユシャクは種類によってメスの翅の退化の度合いにかなり格差があって、チャバネフユエダシャクではメスの翅はほとんど消失している。蛾の特徴である翅がなく、オスとは似ても似つかないホルスタインちっくな容姿のため、最初はとてもこれが蛾の成虫だとは思えなかったわけだ。
これでもちゃんと蛾である証拠に──以前の記事からペアショットを──↓。


※【チャバネフユエダシャクのペア】より再掲載↑。
今回みつけたチャバネフユエダシャク♀と同じコンクリート壁にとまっていた。

フユシャクとしては大きめの翅を持つクロオビフユナミシャク♀



翅が消失したチャバネフユエダシャク♀とは対照的に、フユシャクの中では大きめの翅を持つクロオビフユナミシャクのメス。これなら、なんとなく蛾の仲間であると想像できる。




体色や模様のコントラストは個体によって変異がある。
やはり擬木で見つけたクロオビフユナミシャク♀↓




フユシャクのメスとしては大きめの翅だが、オス↓と比べると退化していることは明らか。


小さな翅が魅力のクロスジフユエダシャク♀



今シーズン何度か記事にしているクロスジフユエダシャクのメス。


翅は退化して小さいが、ちゃんと4枚(前翅と後翅が1対ずつ)あるのがわかる。小さな翅は可愛らしいアクセントでもあり、完全に消失した種類よりも、むしろ「退化した感」が漂ってくる気がしないでもない。
もちろん、オスは飛翔能力のある翅を持っている↓。


オスもメスも個体によって大きさに差があるが、立派な体格のクロスジフユエダシャク♀↓。


小さな翅を広げてとまった姿勢はりりしさを感じさせる。


なんちゃって冬尺蛾!?なアカシデ種子(果苞)ほか



この時期、木の幹や擬木に付いているアカシデのタネ(果苞)は、ちょっとフユシャク♀に見えなくもない!? フユシャク♀がこうした植物片に擬態しているとは思わないが(それほどの擬態効果があるのかは疑問)、フユシャクに興味を持って探し始めた頃はしばしば騙された。



やはりこの時期に見られるカバエダシャク↑。シャクガ科の蛾だが、メスにも翅があって、フユシャクではない。
体色と似た色合いの幹にとまっていると隠蔽擬態効果抜群のキノカワガだが……ずいぶん目立つところにとまっていた↓



クロスジフユエダシャク:婚礼ダンスに異変!?



見どころは♀の容姿と♂の婚礼ダンス

クロスジフユエダシャクは冬にだけ出現する蛾・フユシャクの1つ。メスは翅が退化して飛ぶことができないというユニークな特徴を持つ。そのため、出会いを求めて飛ぶのはオスの仕事。メスが放つフェロモン(ニオイ物質)をたよりにオスが《婚礼ダンス》を舞うことによってメスをゲットするのはこれまで何度か紹介してきた通り(*)。
クロスジフユエダシャクの見どころは、(オスとはかけ離れ、とても蛾には見えない)小さな可愛らしい翅をもつ「メスの風変わりな容姿」と日中観察できる「オスの婚礼ダンス(によるメス探し)」だと僕は思っている。雑木林ではごく普通に見られる昆虫だが、発生時期が冬の初めに限られるので、いつでも見られるというわけではない。鑑賞期間限定なのでこの時期になると見ておきたくなる。

《婚礼ダンス》について簡単に説明しておくと、メスと交尾する直前のオスが激しく羽ばたきながら歩き回る行動(羽ばたき歩行)のこと。クロスジフユエダシャク♂は落葉が積もった雑木林の林床を低く飛び続けるが、これは落葉の下などに隠れているメスを探してのこと。メスの存在が近いと察知したオスは、降りて婚礼ダンス(はばたき歩行)を開始する。メスが放つフェロモンを探知するのは触角だが、羽ばたくことによって前方の空気を触角に引き込み「嗅ぐ」機能を高めていると考えられる。羽ばたきながら向きを変え、どちらを向いた時に左右の触角が均等にフェロモンを捉えるか──方角を調整しながらより強くニオイを感じる方へと進むことでその発生源であるメスに到達する仕組みである。
《婚礼ダンス》はカイコガで知られていた行動だそうだが、クロスジフユエダシャクも同じことをする。クロスジフユエダシャクは昼行性なので、日中そのユニークな行動を観察することができる。
ということで、クロスジフユエダシャク♂が舞う雑木林で婚礼ダンス待ちをしていたときのこと──。落葉の上を後ろ向きに歩くクロスジフユエダシャク♂が目にとまった。これは交尾状態でメスがオスを引きずっているのだろうと思い、よく見るとやはり──↓。


フユシャクは、まずオスの姿が目にとまりがちだか、その翅の陰にメスが隠れていることも少なからず。メスはなかなかパワフルで、時々オスを引っ張って歩いている姿を見かける。
この状態では交尾中のオスも羽ばたかないし、近くでメス探しに飛びまわっているオスも関心を示さない(婚礼ダンスの気配も見せない)。メスがいてもフェロモンを放出していない時は、オスの婚礼ダンス・スイッチはONにならないのだろう。
一方、ひとたび婚礼ダンスのスチッチが入ったオスたちは、我先にメスに到達しようと懸命に羽ばたくことでその位置を嗅ぎあてようとする。隠れている1匹のメスに複数のオスたちが集まることも多く、僕の観察では通常、婚礼ダンスを舞う複数のオスたちがいた場合は、徐々に互いの距離が縮まり、集まってくる。それぞれがメスに近づいていくためだ。そしていち早くメスを見つけたオスが交尾を成立させるとゲームオーバー。フェロモンの放出がシャットダウンするのか、あるいは《売約済み》の情報でも発信されるのか……情熱的な婚礼ダンスは突然打ち切られ、タッチの差で敗れた者も未練を残すことなく、あっさりと引き上げて次のメス探しに出かけてしまう。
婚礼ダンスは突然はじまり、オスたちが収斂していくと、あっけなく終了してしまう──そんな印象が僕にはある。

狂乱の婚礼ダンス!?その意外な原因は…

ところが、先日(僕の感覚では)尋常でない婚礼ダンスを目の当たりにした。雑木林の一角で10匹を越えるクロスジフユエダシャク♂が婚礼ダンスを始めたのだ。その様子をカメラに収めようとしたが、範囲が広くて全景をとらえるのは困難──画面を広くとると個々のオスが小さく写って背景にまぎれてしまうため静止画では判別できなくなってしまう。婚礼ダンスは分散しているので、どれがメスに近づいている本命個体なのか判断できない。これだけのオスが探しているのだからすぐにメスは見つけ出されて婚礼ダンスは終了してしまうのではないかと気をもむが……婚礼ダンスはエスカレートするばかり。普通なら収斂していくはずの婚礼ダンスはむしろ拡散していくようにも見える!?
何が起こっているのかよくわからないまま、とりあえず♂密度の高いポイントを撮ってみた。


いつもなら、フレーミングやフォーカシングの間に終了してしまいがちな婚礼ダンスが、いつになく長く続いていて「普通ではない感」が高まっていく……。
オスたちが集中するポイントをのぞき込むと──不自然な動きのクロスジフユエダシャク♀が目に入った。その周囲をアリが取り囲み──♀を運んでいたのだ。狂乱の婚礼ダンスの原因は、フェロモンを放つクロスジフユエダシャク♀へのアリの襲撃にあったようだ。




12月を目前にクロヤマアリがこれほど活発に活動していようとは思わなかった。今年は立冬を過ぎてからもアブラゼミが鳴いていたし、昆虫の活動終了時期がズレ込んでいるのだろうか?
アリの襲撃に、飛んで逃げることができないクロスジフユエダシャク♀はひとたまりもなかったろう。しかし、メスのピンチをよそにクロスジフユエダシャク♂は交尾しようと次々に押し寄せてくる。中にはクロヤマアリにとらわれ引きずられて行くオスもいるが、オスの婚礼ダンスは続く……。フェロモンが放出され続け、婚礼ダンスのスイッチがONのうちは、本能が定める行動が継続されるということなのだろう。こんな状況下でも機械的な反応を続けるオスたちが小さなロボットのようにも見えた。


クロスジフユエダシャク♀の体の構造はよくわからないが、婚礼ダンスの元祖(?)カイコガの場合は、産卵管の根元にフェロモン腺という器官があって、これを腹端からのぞかせることでフェロモンが拡散するらしい。クロスジフユエダシャク♀も同じようにしてフェロモンを放ち、オスたちを呼び、交尾が成立した段階でフェロモン腺を収納しフェロモン放出をシャットダウンするのだとすると……アリの襲撃を受けたクロスジフユエダシャク♀は交尾を完了していないからか、あるいはアリの攻撃にもがくことで断末魔の叫びならぬ断末魔のフェロモン放出を続けているのか──フェロモン放出をシャットダウンできずにいるのかもしれない。カイコガではフェロモン腺をこすりつけたろ紙やガラス棒にもオスは反応し(メスがいなくても)婚礼ダンスをするそうだが、アリに運ばれるクロスジフユエダシャク♀でも、もがきながら露出したフェロモン腺が周辺の落葉などに接触すれば、そこにフェロモン臭が残ることになるだろう。アリに連れ去られるクロスジフユエダシャク♀本体だけではなく、引きずられたあとに残されたフェロモン臭のするポイントにもクロスジフユエダシャク♂が集まってきた──これが婚礼ダンスが拡散した理由ではないかと思われる。
フェロモンはおそらく物理的にはごくごくわずかな量なのだろうが、アリの攻撃にさらされながらも交尾をしようとしたり、メスがいないのに婚礼ダンスを舞ったりするオスの姿に、行動を支配するフェロモンのすごさを改めて感じたしだい。


ところで、クロヤマアリに引きずられていくクロスジフユエダシャク♀の画像を見て気がついたことだが──フユシャクの口吻がこれほど伸びるものとは知らなかった。フユシャク成虫はエサはとらないものが多いらしいので機能しているのかどうかはわからないが……想像していた以上にクロスジフユエダシャク♀の口吻は長かった。過去に撮った擬死状態のクロスジフユエダシャク♀の画像と比べてみると──↓。


オスが集まるのに婚礼ダンスが始まらない場所!?

雑木林でクロスジフユエダシャク♂の婚礼ダンス待ちをして気になることがある。本来ならもっと積もっていて良い枯葉が緑地管理のためか、かなり撤去されている。人が往来する道路ならともかく、緑地内で必要以上に撤去することもなかろうに……と思わないでも無い(落葉の中で越冬する昆虫が少なからず影響を受けそうな気がする)。こぎれいになった雑木林内の小道ではクロスジフユエダシャク♂が飛び交う姿が見られるが、《オスの密度が高く、今にも婚礼ダンスが始まりそうな気配を漂わせながら、そのわりに待っていても婚礼ダンスがいっこうに始まらない》ということがよくある。
おそらく……人がよく通る小道や、落葉撤去作業が頻繁に入る場所では落葉の下で踏みつぶれれたクロスジフユエダシャク♀もいて、そのフェロモンを含むニオイが地面や周囲の落葉などにしみ残っているのではあるまいか。これがクロスジフユエダシャク♂を誘い、まどわしているのではないかという気がしないでもない。飛来するオスは多いのに、いっこうに婚礼ダンスが始まらない場所には、ひょっとするとそんな事情があるのかもしれない。フェロモンの残り香にオスが反応を示すことは、今回の狂乱の婚礼ダンス騒動(?)でも明らかになった気がする。