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ホシヒメホウジャクと寄生蠅!?

ハチドリちっくなホウジャク(蜂雀)の仲間



花壇などで花から花へとせわしなく移動し、ホバリングしながら蜜を吸うホウジャク(蜂雀)類をよく目にする。スズメガ科の蛾なのだが、子どもの頃はこれが蛾の仲間だとは思ってもみなかった。高速で羽ばたきながら空中に停止して蜜を吸う姿はテレビで見たハチドリのようだ──ということで、僕の中では「ハチドリ虫」だった。


ホウジャク(蜂雀)類の英名は「humming‐bird moth(ハチドリ蛾)」だそうで、この呼び名にはうなずける。たまに(日本国内で?)ハチドリを目撃した──というブログを目にすることがあるが、おそらくホウジャク類を誤認したものだろう。今回とりあえず撮ってみたのは、ホシホウジャク。オオスカシバよりも一回り小さい。よく見かけるのだが、飛行中は、せわしなく花から花へ移動するので、なかなか接写できない……。

ホシヒメホウジャクと寄生蠅



ホシホウジャクをさらに一回り小さくしたようなホシヒメホウジャクが植込みの葉かげにかくれていた。飛んでいるとハチドリのようだが、とまっていると枯葉のように見える。こういう状態だと接写しやすい。
このホシヒメホウジャクは見つけた時は翅を立ててとまっていた(羽化直後の蛾はよくこんな形をとるのでこの個体も羽化したところだったのかもしれない)。撮り始めるとハエが1匹飛来してホシヒメホウジャクの背中にとまった。


ハエはホシヒメホウジャクを虫とは思わず枯葉のつもりで舞い降りたのだろうか。撮影のジャマだなと思っているうちにハエは飛び去り、撮影続行。と、ほどなくあのハエが舞い戻ってきた。これは枯葉と間違えてとまったのではなく、蛾を狙って飛来した寄生蠅ではなかろうかと気がついた。


ハエはその後も消えたり現われたりを繰り返した。


その間、ホシヒメホウジャクは翅を開いていった。そこで背面ショットを撮影。


──と、そこへまたまたハエが現われた。


ホシヒメホウジャクとのツーショットを撮った後、ハエは飛び去ったので改めて背面ショットを撮影。


ハエはそのまま戻って来なかったので、ホシヒメホウジャクにまとわりついた目的を確認することはできなかった……と、その時は思ったのだが。帰宅後、撮影した画像をパソコンで確認していたところ、ハエが現れてから去る間に、ホシヒメホウジャクの背中に卵らしきものが出現していることに気がついた。


ヤドリバエの産卵 before & after!?


寄生蠅というとイモムシがターゲットにされることが多い印象があったが、蛾の成虫に産卵するものもいる──ということで記録しておくことにした。

枯葉チックなヒメエグリバ

蛾つながりで……前回、記事にしたばかりのヒメエグリバだが、その後また見つけたので、撮ってみた。以下、同一個体。
















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ハチに寄生するハエ!?オオズクロメバエ

ハチに寄生するハエ!?オオズクロメバエ





最近知って、おもしろいと感じた昆虫──オオズクロメバエ(大頭黒眼蠅)。その名のとおり、体に比べて頭が大きい。ちょっと独特の雰囲気を持っている……そう感じるのは僕だけであろうか?


これらの画像↑は8月に撮ったものが、この虫を初めて見たのは7月だった。草原の背の低い花の間を飛び交うハチにまじって、ちょっと変わった虫が花に降りた。ハチなら逆ハの字型に開いている触角がY字型をしている──これはムネグロメバエハチモドキハナアブで見覚えがある。「蜂擬態用のシークレットかつら的触角(短い触角をハチのように長く見せるための上げ底構造)」をもつハエかアブの仲間だろうと思った。興味を覚えてカメラを向けたのだが、すぐに飛び立ってしまいロクな画像が残せなかった。その時撮ったNG画像がこの↓左側。


黒い貧弱な体に、やけに大きな黄色い頭──ケバエが、アシナガバチの頭をかぶっているみたいに見えた。鮮明な画像で撮れなかったのが悔やまれる……。帰宅後、メバエの仲間だろうと見当をつけて検索し、「オオズクロメバエ」(のメス)に行き着いた。
ちなみに……メバエの仲間でも、ムネグロメバエは「黒」が「グロ」と連濁で濁音化しているが、「オオズクロメバエ」では「黒」は「クロ」と濁らない。胸が黒くて「胸黒=ムネグロ」と呼ばれるムネグロメバエとは違い、オオズクロメバエは頭が黒くない(「頭黒=ズグロ」ではない)。「頭」は「大」にかかっているのだから「大頭=オオズ」と「クロメバエ」を分けて(連濁せずに)呼んだ方がわかりやすい。ネット上には「オオズグロメバエ」という誤記もあったが、「オオズクロメバエ」は適切な呼び方だと思う。
このオオズクロメバエ──ネット情報を総合すると……成虫は花に集まるが、幼虫は寄生性で、ツチバチに寄生するらしい。成虫メスは飛びながらツチバチの成虫に抱きついて産卵するそうな。ピンボケ画像でも確認できるが、メスの腹部腹面には大きな突起物が突き出している──これは湾曲した腹部末端とのこと。以前記事にしたキスジセアカカギバラバチは、葉の縁にとまって葉の裏に卵を産み続けるためだろう、腹部末端が鉤のように湾曲していたが、オオズクロメバエでは、飛びながらツチバチに卵を産みつけるという高度な芸を究めるために更に湾曲が発達したのだろう。
こうしたメスの特徴はユニークなので、なんとか鮮明な画像で記録したいところ。その後、この虫を見つけた草原でオオズクロメバエを探し続けた。
この草原ではツチバチ類を含む色々な種類のハチが花から花へ飛び渡っていたが、それを追いかける虫影が現れると、それがオオズクロメバエだったりした。オスによる縄張り主張のスクランブル飛行なのか、メスの産卵行動なのかは確認できないが、ハチを追いかけ接触するシーンも見られた。
初めて見た時は大きな頭に対して「ケバエのような貧弱な体」に見えたが、飛び方はケバエよりもずっとしっかりしており、機敏だった。頭のでかさは、飛翔する産卵ターゲットを捕捉すべく動体視力を高めるために眼を大きく発達させた結果なのだろう。
オオズクロメバエの姿は度々見られたが、警戒心が強く敏捷で、なかなか撮影可能な距離まで近づかせてくれない。(腹の突起が無い)オスはなんとか撮ることができたが(冒頭の画像はその一部)、ユニークなメスの鮮明な姿を撮りたいところ……。
1度、オオズクロメバエを見つけ、近づこうとしたところ飛び立ってしまい、そこに別の虫影が飛来して衝突!?──2匹がからみあって草の中に落下したことがあった↓。


♂同士の争いかペアなのか……2匹ともオオズクロメバエだった。葉陰の被写体が見えるアングル探し&フレーミーグに手間取っている間に2匹は飛び去ってしまい、ここでもマトモな画像を撮ることができなかった。
活動中の生体は撮るのが難しい……と嘆いていたところ、歩道に弱ったオオズクロメバエを発見。拾い上げてみると、しきりに動くものの、ヨタヨタして飛ぶ気配がない。ということで、この機会に接写。


ハエの仲間(双翅目)の特徴──翅は前翅の2枚(1対)だけで後翅は無く、平均棍という器官が確認できる。


活動中は翅をハの字に開いていることが多いが、重ねて閉じることもある。


ハチの触角とは違う「Y」字型の触角──これはハエの短い触角を(ハチに似せて)長くみせるための上げ底構造(触角の付け根を伸ばした形)だろうと思っていたのだか……なんと、幹(1本)になっていると思った付け根部分が開くシーンがあった!?↓


「Y」字型ではなくセパレート構造なら、ふだんから「V」に広げていた方が(ステレオの)感覚器としても、蜂擬態(?)としても有効そうな気がするが……どうしてこのような形になっているのか……?


横から見ると腹部に大きな突起が無い──ということでオスということになる。
ユニークな腹のメスがキレイに撮れたら記事にしようと思っていたのだが……かなわないまま、観察場所に草刈りが入って、花も蜂も姿を消してしまったため、ひとまずまとめておくことにしたしだい。

観察場所だった草原でよく見られたツチバチの1つ↓。




ツチバチのメスは地中のコガネムシの幼虫に産卵するために地面に潜る。コガネムシに寄生するハチなわけだが、こうしたハチにさらに寄生するハエが存在するというのが、ちょっと意外だった。ハチといえば、「強くて怖れられている存在」というイメージがある。その威を借る蜂擬態の虫だって多い。そうした強者のハチ(しかも幼虫ではなく飛び回る成虫)に、大胆にも卵を産みつけとは……オオズクロメバエは、なんともアッパレなハエだろう。


仮称トラフヒラタヤドリバエ

和名がついていない仮称トラフヒラタヤドリバエ



先日、雑木林のふちの葉の上にこんな昆虫をみつけた。一瞬《極小の黒いセセリチョウ》をイメージしたが、よく見ると黒いハエの2段重ねだった(2匹の翅が重なって4枚の黒い翅に見えた)。翅の一部が黒いハエ・アブは見たことがあるが、翅全体が漆黒のハエは初めて見た気がする。胸には黄色い帯模様が入っていて、なかなかオシャレだ。これが緑の葉の上で映えて美しいので、カメラを向けた。帰宅後ネットで検索すると、特徴のあるハエだけにすぐに同じ種類と思われる画像が見つかった──「Pentatomophaga latifascia」というヤドリバエの仲間のようだが……どうやら、まだ正式な和名は決まっていないらしい。ネット上では「トラフヒラタヤドリバエ」という仮称で紹介しているところがいくつか見つかった。
以前にも撮影したヤドリバエを調べてみたら和名がついていないことがあった(【白い後翅を持つハエ!?】)が……ハエ方面では和名の整理が遅れているのだろうか?

仮称トラフヒラタヤドリバエの翅はなぜ黒い?

翅の黒さが印象的だった仮称「トラフヒラタヤドリバエ」だが、ネット上の画像を見ると腹にも胸と同じような黄色(橙色?)の模様が入っている。僕が撮った画像ではその特徴が写っていなかったので、「撮り逃した感」が残った。
次にであった時にはそうした特徴がわかる画像を撮らねば……ということで、雑木林のふちで再会をはたした単独の仮称トラフヒラタヤドリバエ↓。


撮影中、ずっと同じ葉にとまっていたのだが、翅の開きぐあいや角度を何度か変えていた。翅を大きく広げると、腹の黄色い模様がよく見える。


この姿勢だと翅の後縁基部が発達した「胸弁」という器官もよく見える。これが、ハチの腰のくびれっぽく見えなくもない?


翅の構え方で印象が変わる気がする。




腹だけ見ると、ちょっとスズメバチっぽい感じがしないでもない。


僕がこの虫を初めて見たときは黒い翅に隠されて、腹の警告模様(?)には気がつかなかった。この模様をよく見ると、黄色い部分は腹の背面中央部で黒くなっている。翅を広げると警告サイン(腹)が露出し目立つが、逆に閉じると黒い翅が腹の黄色い部分をおおい隠し(左右の翅の間からのぞくのは黒い部分になる)目立たなくなってしまう。ハエの翅は透明であることが多いが、このハエの翅が黒いのには意味があって、腹の警告サインを隠す(警告モード/隠蔽モードの切り替え)スイッチ的な働きをしているのではないか……ちょっと、そんなことを思った。


ところで、この仮称トラフヒラタヤドリバエ。ネット上ではクサギカメムシに寄生するというような情報がある。
カメムシが背中にヤドリバエの卵とおぼしきものをつけているのを見ることがあるが……以前撮影したクサギカメムシ↓がつけていた卵も、もしかしたら仮称トラフヒラタヤドリバエのものだったのかもしれない?






蜂擬態!?ムネグロメバエ

ハチに擬態!?ムネグロメバエ



葉の上にこんな虫↑がとまっていた。全体の印象はハチに似ている。しかし前翅の後ろには平均棍(後翅が変化した器官)がある──これは双翅目(カ・ガガンボ・ハエ・アブ・ブユなどを含むグループ)の特徴だ。一見ハチっぽく見える触角は、よく見るとY字型をしている──この特徴からハチモドキハナアブというハチ擬態のアブの仲間ではないかと予想。しかし調べてみるとハチモドキハナアブ(ハナアブ科)の仲間ではヒットしない……。更に調べてムネグロメバエ(メバエ科)という種類に行き着いた。


ふつうハエと言ったらこの姿は思い浮かばないだろう。ハチをイメージさせる容姿と関係があるのかどうか……ムネグロメバエは、なんとハラナガツチバチなどに寄生すると考えられているらしい。
効果のほどはわからないが……見た目の印象からすると、ムネグロメバエもやはりハチ擬態と見てよさそうな気がする。そう考えたくなるポイントの1つがY字型の触角だ。
一般的にハエやアブの触角はハチの触角より短い。腹にハチに似せた(?)黄と黒の警告色模様を持つアブはいるが、触角が短いとアブもしくはハエであることがバレがちだ。そこでハチっぽさをアピールするためには短い触角を長く見せる必要がある──ということなのだろう。ムネグロメバエ(やハチモドキハナアブ)は短い触角を長く見せるために触角の基部を伸ばしている……これは背を高く見せるために踵を上げ底にしたシークレットシューズと同じ!? シークレットシューズならぬシークレット触角と言ってもよいのではあるまいか。《無理して頑張ってる感》が伝わってくるような気がしないでもない!?

美しいヨダンハエトリ♂



《無理して頑張ってる感》がある虫ということで──昆虫ではないが、ハエトリグモの仲間のヨダンハエトリ♂──これは昨年5月、知らずに初めて見た時(*)は「日本にもこんな鮮やかなクモがいたのか!?」と驚いた。


ハエトリグモの仲間なのだから、獲物や天敵に対しては目立たぬ方が都合が良さそうなものを……派手な配色をしている。派手なのはオスだけであることから、この目立つ配色は繁殖活動にからんで獲得されてきた特徴なのだろうということが想像できる。獲物に逃げられやすくなったり天敵に見つかりやすくなったり……そういったリスクを背負ってでもメスにアピールする(モテる)特徴を発達させることの方がオスにとって(子孫を残す上で)重要だったのだろう。これはこれで《無理して頑張ってる感》があるような……。
ヒト目線で見たとき──《無理して頑張ってる感》のある虫はおもしろい。