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シラホシカミキリと食痕

シラホシカミキリと食痕



シラホシカミキリは体長8~13mmほどのきれいなカミキリ。頭部と前胸はクッキリ鮮明な黒で、白い模様がそれを引き立てている。その黒との対比が鮮やかな上翅基部のブラウンが、翅の先端に向かうにつれて焦茶へと境い目のないグラデーションで変化、翅先端では再び黒っぽくまとめられているのが美しい。配色の鮮明さ(前胸と上翅基部の対比や白い模様との対比)と淡さ(上翅のグラデーション)の両極をあわせもつデザインが秀逸だと思う。
そんな格調の高さをかもしだしているシラホシカミキリがガマズミの葉にとまっているのを見つけた。


今シーズン初のシラホシカミキリ──ということでカメラを向けて、食事中だったことに気がついた。


「へえ!?」と思ったのが、葉の表側にとまって齧っていること。これまで僕は葉を後食(成虫になってからの食事)するカミキリは葉の裏側にとまって葉脈を齧るものだと思っていた。以前飼育したことがあるイッシキキモンカミキリラミーカミキリも決まって葉の裏から葉脈をかじっていたので、「なるほど葉の裏側に隠れたまま食事をするというのは、鳥等に見つかりにくいだろうから理にかなっている」と感心し納得していた。
実は昨シーズン、シラホシカミキリの発生ポイントで、葉脈に沿ってスリット状の食痕が残された葉を見つけ「変わった食い方をする虫がいるな……」と思っていた。同じ場所で葉脈が齧られている葉もあり、それはカミキリの──おそらくシラホシカミキリのものだろうと考えていたのだが、葉脈わきの食痕の主は別の昆虫だと思い込んでいた。


葉の裏からかじれば出っ張った葉脈が齧りやすそうなものだが、わざわざそのわきを齧るのは不自然で妙だ……葉脈部分と葉脈でない葉の部分では味(養分?)に違いがあるのだろうか? 葉脈でない部分を食べるのなら、葉脈から離れたところをかじればよさそうな気もする……わざわざ葉脈沿いに食うのは、そこが特にうまいのか……あるいは逆に他の部分には植物の防衛物質(葉を食う虫対策の忌避物質)が集まりやすいのだろうか?……などと不思議に思っていた。
しかし今回、葉の表から後食しているシラホシカミキリを見て、謎が解けた。葉の表側からでは葉脈は凹んでいて齧りにくく、逆に葉脈の縁部分が齧りやすくなる──それで、葉脈沿いに穴が開くのだろう。




葉の裏から齧っていれば安全な(鳥等の天敵には見つかりにくい)気もするが……シラホシカミキリは、葉の表にとまって後食する(こともある)ということを初めて知った。
これまでは見つけてもカメラを近づけるとすぐに飛び去られてなかなか撮らせてもらえなかったが、今回は食事中だったためか、これまでになくじっくり撮ることができた。今回のシラホシカミキリは全て同じ個体。






上翅先端は外角・内角ともに棘状に尖っていてシャープな印象を高めている。

シラハタリンゴカミキリ@スイカズラ



シラホシカミキリに続いて「シラ」で始まるカミキリということで……シラハタリンゴカミキリ。ホストのスイカズラが咲く頃に出現するので、スイカズラの甘い香りを嗅ぐとシラハタリンゴカミキリを連想する(子どもの頃、夏に雑木林で樹液の発酵したニオイを嗅ぐとカブトムシやクワガタを連想したのと同じ)。今年は発生ポイントになかなか行けずにいたのだが……久しぶりにのぞいてみると、出ていた。このカミキリも葉の裏側から葉脈をかじるので、発生していれば葉脈部分がスリット状に抜けた葉が見つかる。


黒とオレンジ色のシンプルなデザインだが、美しいカミキリ。






スイカズラの香る頃に現われて、花が終わるといつの間にかいなくなっている……ちょっとはかなげで幻想的なイメージがあったりもするカミキリ。

シラ…ではなくシロコブゾウムシ



前述のシラホシカミキリとシラハタリンゴカミキリを確認した日に見た「白」で始まる甲虫をもうひとつ。もっとも「シラ」ではなく「シロ」と読む。和名に「白」がつく昆虫は多いが、「シラ」「シロ」「ジロ」と読み方が種類によって違うので、ちょっとややこしく感じることがある……。


シロコブゾウムシは大きめのゾウムシ(体長13~15mm)で、黒いつぶらな眼(複眼)が印象的。この眼を閉じるかのように触角で隠すのを初めて見た時は驚いたものだ(※【シロコブゾウムシの《いないいないバア》】)。

ミミズクとエゴシギゾウムシ

ユニークな昆虫・ミミズク(耳蝉)



ガードパイプの支柱の上にミミズク成虫がとまっていた。「ミミズク」というと鳥(木菟)を連想しがちだが、これは植物の汁を吸う半翅目(カメムシ目)の昆虫。なんといっても前胸背にある耳介状の突起が目をひく。これがミミズク(木菟)の羽角っぽいということでこう呼ばれるようになったらしい。昆虫のミミズクは漢字では「耳蝉」と記す。


カメラを近づけると体を起こし、ミミズクのダンスを始めた。


体をゆっくりと左右にスライドさせるミミズク・ダンス……警戒した時の動きのようだが、この行動の意味については「動いて相手の反応(ミミズクの動きを追尾しているか)」をうかがっている(ジャンプして逃げる必要があるかないかの見極めをしている)のではないかと僕は考えている(*素人想像)。


ユーモラスな脱力系ダンスに見えなくもないが、ふかわりょうの小心者克服講座ではない。


体を伏せれば、葉や樹皮にぴったりはりつくことができるデザイン。翅の先端付近は半透明で、とまった樹皮の色が透けて輪郭を隠蔽する効果がある。さすがにガードパイプの上ではバレバレだが、木に止まっていれば、ちょっと気づかない。


なんともユニークな風貌……。成虫の体長は14~18mmほど。


おもしろい昆虫だが、その生活史はきっちり解明されているわけではないらしい。ネット上には「成虫越冬」とする情報もあるが、僕の見たところでは幼虫で越冬しているものもいるようだ。幼虫は遅くて11月まで、早くは2月から見ている。終齢幼虫と思われる個体は4月~5月にも見ているので、幼虫での越冬は確かだろう。


これも↑、これも↓、大きさからしておそらく終齢幼虫。「幼虫越冬」の個体に違いない。


この幼虫の姿がヒトの顔に見えて仕方ない……というコトは何度か記した通り。


※↑【眠れる森の長老!?ミミズク幼虫】より

鴫(シギ)っぽい象?エコシギゾウムシ



ミミズクではないが、鳥の名前が入った昆虫にシギゾウムシがいる。ゾウムシの仲間だが、細長い口吻が(ゾウの鼻というより)シギ(鴫)のクチバシに似ていることからつけられたのだろう。シギゾウムシの1つ、エゴシギゾウムシがやはりガードパイプの支柱の上にとまっていた。
カメラを近づけると──こちらはダンスではなく、体を膨らませた!?


ふだんシギゾウムシの仲間を見て鳥(シギ)を連想することはないのだが、体を膨らます姿を見て、なんだか鳥っぽい仕草だと感じた。鳥は毛を逆立てて膨れたように見えることがあるが、そんなイメージが重なる。昆虫の体は固い装甲(外骨格)でかっちり固められているイメージがあるが、組まれたパーツの隙間がひろがって膨れて見えるようだ。


体を膨らませることの意味はよくわからないが……ちょっと鳥っぽく感じたので「へえ?」と思ったしだい。

ついでに、やはりガードパイプの支柱の上にとまっていたシナノクロフカミキリ↓。


擬木の上にいた、ヒメスギカミキリ↓







ルビーなチョッキリ&ブラックホール紋象虫他

赤い宝石!?ファウストハマキチョッキリ



白いガードパイプの上に赤く輝く小さな昆虫がいた。そのキラキラ感でこの周辺で何度か見たことがあるファウストハマキチョッキリだとすぐに判った。葉を巻いて揺籃(ようらん)を作るオトシブミ(オトシブミ科)に近い仲間(チョッキリゾウムシ科)。生態も面白そうだが、なんといっても目をひくのがメタリックに輝く前胸背や上翅の鮮やかな《赤》──これが光の加減で濃い紫に見えたりもする。
とてもキレイなのでカメラを向けたくなるが、なかなか希望通りのショットを撮らせてくれない……。


葉の上に移動させて、なんとかピントが追いつきかけるが↑……まだ甘い。
ようやくピントがあってきた──と思ったらこの↓直後に飛び去ってしまった。


メタル・レッドの前胸や上翅が、光のあたり具合で色合いに変化があるのがわかる。今回は木陰で撮ってみたが、陽があたる場所で撮った去年の画像も再掲載──【ベニモンアオリンガ&そっくり芽鱗ほか】より↓


光沢昆虫の実際の美しさを画像にするのは難しい……。

背中にブラックホールをしょった極小ゾウムシ!?



擬木の上に見慣れない極小ゾウムシがいた。あまり小さな虫はどうせうまく撮れないのでスルーしがちだが、面白い模様のものは頑張って撮ってみたくなる。この極小ゾウムシも小さいながら模様にユニークさを感じた。特に目につくのが前胸背~上翅にかけての黒っぽい紋──暗黒の穴でも開いているかのようにも見える……ブラックホール紋の極小ゾウムシ!?


帰宅後調べてみるとクロホシタマクモゾウムシというらしい。


卵形のボディーラインもちょっと面白い。体長は3mm前後。


擬木のカミキリ



ヨツボシチビヒラタカミキリにしては大きめの個体↑。小さい個体では白い紋が薄く、大きな個体ほど明瞭になる傾向があるように思う。カメラを近づけると触角を起こし(前方に向け)動き出した。


擬木にはヒトオビアラゲカミキリも出ていた。




ヨツボシチビヒラタカミキリやヒトオビアラゲカミキリに比べると、ぐっと大きなカミキリの姿も──。




キマダラミヤマカミキリにはファウストハマキチョッキリのような金属光沢はないが……意外なことに、これも光の加減や見る角度によって色合い(濃淡)や模様の形が変わって見える。同じ個体↓。


同個体ながら、この画像↑では上翅左右の模様は非対称に見える。上翅には細かい毛が密に生えているが、この毛の向きが一様ではなく部位によって違うため、芝の順目と逆目のように明暗に差ができ模様の濃淡が生まれる(*)。上翅の毛の向きのバラツキはほぼ左右対称でも、光が射す角度や見る角度によって模様(濃淡)が非対称に見えることも多い(*)。


4月のウバタマムシなど

4月のウバタマムシ@松



久しぶりに松ウォッチをしてみると、枝にウバタマムシがとまっていた。前胸背から上翅に隆起した筋状の模様が走るシブイ味わいがある大きめ(24~40mm)のタマムシ。


幼虫はマツの枯木に穿孔し成虫はマツ類の葉や樹皮を食うという。昆虫は見られる時期が限られているものが多いが、ウバタマムシ(成虫)に関しては1月から12月まで全ての月で確認している(*)。
同個体の別アングル画像↓。


この個体は↑右上翅の先端がわずかに曲がっていた(羽化時に伸びきらなかったのか?)。
近くのマツで枝先に2匹目のウバタマムシを見つけた↓。


2匹目のウバタマムシを撮っていると、その上の枝にも3匹目がいるのに気がついた↓。


この3匹目を撮っているとき、2匹目が止まっていた枝を揺らしてしまい、2匹目が落下。せっかくなので(?)拾い上げて撮影↓。


色彩の派手さではヤマトタマムシに劣るが、ヤマトタマムシの上翅が薄くきゃしゃな感じがするのに対しウバタマムシの上翅は隆起のあるしっかりした作りで、質感的にはウバタマムシの方が高級感が漂っているようにも思う。
手に乗せたウバタマムシはこのあと上翅をパカッと開くとブォ~ンと飛び去った。十字架を思わせる飛行フォルムと翅音はヤマトタマムシとそっくり。
ウバタマムシの上翅を縦に走る隆起模様は翅の強度を高める構造なのだろうと想像するが、木目を浮き上がらせる技術をほどこした工芸品を思わせる。擬木にも隆起した木目模様を模したものがあるが、ウバタマムシを見るとこうした擬木が思い浮かぶ。また隆起木目調の擬木を見ると、ウバタマムシを連想してしまう。


ヤニサシガメ幼虫



松ウォッチで目につくものといえば──ヤニサシガメ。ウバタマムシが見つかったマツでは、ヤニサシガメの幼虫もあちこちで見られた。捕食性のカメムシながら、マツ類に依存しているという。


マツ周辺の擬木の上でも見られるヤニサシガメ幼虫↑。背中にゴミがついているが、ヤニサシガメの体はベタベタしている。このベタベタ物質については分泌物だとする説とマツヤニを塗りつけたものだという説があって、それを確かめるべく飼育してみたが、疑問はスッキリ解消できなかった……(*)。


擬木上でヨコバイの幼虫を捕食していたヤニサシガメの幼虫↑。
こちら↓は蛾の幼虫を捕食。


この個体は丸々と太っているが、幼虫で越冬したヤニサシガメは5月頃に羽化する。

片牙のクチブトゾウムシ



ところで、このところ口吻の短いゾウムシを見つけると牙付きクチブトゾウムシではないかと(期待して)口元をのぞき込んでいるが、ハズレ続き──新成虫の初期限定盤の牙(脱落性牙状大顎付属突起)はすでに失われたものばかり……と思っていたら──↓。




というわけで、片方だけ牙が残っているクチブトゾウムシがいた。


動き回るので希望のショットが撮れなかったが……これはカシワクチブトゾウムシだろうか? 以前、マツトビゾウムシでも片牙を見ているが、短吻類の脱落性牙状大顎付属突起は必ずしも両方同時に落ちるものではないようだ。


牙付きクチブトゾウムシ&ヨツボシチビヒラタカミキリ

牙付きクチブトゾウムシ

鉄柵の支柱てっぺんにクチブトゾウムシがとまっていた。短吻類のゾウムシは羽化したときには大顎に牙状の付属突起がついているそうな。土中の蛹室から地上へ出るさいに使われるとされ、地上にでるとほどなく脱落してしまうという。そんな新成虫発生初期限定の《牙(状付属突起)》がついていないかと口元をのぞきこんでみると……。


リッパな《牙》がついていた。カシワクチブトゾウムシではないかと思うのだが(コカシワクチブトゾウムシという似た種類もいる)、自信が無いのでクチブトゾウムシ(の仲間)としておく。いずれにしても草食性のゾウムシが肉食性を思わせるような牙をつけている姿はなんともフシギな感じがする。




これまで何度か見たマツトビゾウムシ↓では《牙》が不自然に大きく交差していたが、今回みつけたカシワクチブトゾウムシ(もしくはコカシワクチブトゾウムシ)では、ほどよい感じで(?)設置されていた。


比較用に【牙付きマツトビゾウムシ】から再掲載↑。
今回みつけた牙付きカシワクチブトゾウムシ(もしくはコカシワクチブトゾウムシ)↓。


おもしろいので撮り続けてしまう。




ちょっと判りづらい画像になってしまったが……上から見たところ↓。




体長は5mmほど。恒例の1円硬貨との比較↓。


《牙》が脱落した通常姿はこんな↓。


桜の花とヨツボシチビヒラタカミキリ

毎年サクラが開花する頃に出現するヨツボシチビヒラタカミキリが擬木の上に出ていた。ちょっとわかりにくくなってしまったが……画面左上に開花した桜を入れて。




名前の通り、黒いボディ(上翅)に白い4つの星(模様)が特徴。


ヨツボシチビヒラタカミキリの体長は3.5~6.0mmほど。



「咲き誇る 桜を見ずに 擬木見る」 ギボッチャー(擬木ウォッチャー)心の川柳