FC2ブログ

ユーザータグ : クモの記事 (1/6)

赤いクモ~夢の前兆~

ショートショート『赤いクモ~夢の前兆~』

同人誌《MON48》第5号(1990年11月)の埋め草用に書いた原稿用紙(20字×20行)換算4枚強のショートショート。










虫見を始めるだいぶ以前の作品だが、当時から虫が出てくる作品はちょくちょく書いていた。この作品ではクモやコガネムシの種類については具体的に想定してはいなかった。媒体の《MON48》は朝日カルチャーセンター「大衆文芸の書き方(講師:光瀬 龍)」の受講生によって1985年3月に創刊された同人誌。筒井康隆原作の邦画『文学賞殺人事件 大いなる助走』(1989年)のエンドロールにも、チラッと映っていたりする。
『赤いクモ~夢の前兆~』を掲載した《MON48》第5号と、『文学賞殺人事件 大いなる助走』のエンドロールで映し出された《MON48》第3号↓。


《MON48》の誌名は「大衆文芸の書き方」の講座が毎週月曜日(MON)に新宿住友ビルの48階の教室で開かれていたことに由来する。表紙の図案は翼を広げたペンが新宿住友ビルから飛び立つところ。

スポンサーサイト



冬の蝶!?クロスジフユエダシャク

冬のチョウ!?クロスジフユエダシャク♂

今シーズンは11月15日に初確認したクロスジフユエダシャクだが、目にする頻度も増えてきた。年に1度、冬に成虫が出現するフユシャクのひとつで、フユシャクの中では早い時期に出てくる。フユシャクの多くが夜行性だが、クロスジフユエダシャクは昼行性。日中オスが雑木林の林床近くをメスを探して舞い続ける。最盛期、落葉の上を低く乱舞するクロスジフユエダシャク♂たちは、ちょっと幻想的でもある。その光景を見て「(冬なのに)チョウがたくさん飛んでいる!」と驚く人もいる。昼間飛ぶところや優雅な飛び方がチョウに見えるのだろう。しかしクロスジフユエダシャクはチョウではなく蛾の仲間(フユシャクは全てシャクガ科の蛾)。とまった姿を見ると、蛾だということがわかる。


ふつう蛾らしいとまり方をするクロスジフユエダシャク♂だが、チョウのように翅を閉じて(立てて)とまっていることがある。


翅を立てた姿はチョウっぽくも見える。セミヤドリガの羽化でも見られたが、蛾の仲間は羽化後、翅が展開する過程で、こうして翅を閉じた姿勢をとることがあるようだ。蝶のように翅を閉じた羽化後と思われる蛾は、しばしば目にする。
翅が伸びきっていないクロスジフユエダシャク♂もいた↓。羽化不全ではなく、その後ちゃんと翅は展開していた。


枯葉擬態の名人(蛾)アカエグリバやヒメエグリバは頭を下にしてとまっていることが多い(その方が擬態効果が高まる)が、フユシャクは頭を上にしてとまっていることが多い。


通常上を向いてとまるクロスジフユエダシャク♂の頭が下の方を向いていたら、メスと交尾している可能性が高い。上向きにとまっている♀と交尾をしようとすると♂が下を向くことになる──ということなのだろう。


木柵の支柱にとまっていたクロスジフユエダシャク♂の向きが怪しいので、よく見るとやはり交尾中だった。


別々に見るとオスとメスは全く別の昆虫のようだが、こうしたシーンを見ると同種なのだということがわかる。
別のところにいたクロスジフユエダシャク・ペア↓。




飛べない蛾!?クロスジフユエダシャク♀

フユシャクのユニークな特徴(メスは翅が退化して飛ぶことができない)を観察できるのはメスだが、フィールドで目にするクロスジフユエダシャクはオスが圧倒的に多い。飛ぶことができないメスは落葉の下や樹皮の裂け目などに隠れていることが多いので目立たず、オスはメスを探して飛び回らなければならないので目につきやすいということだろう。
たまたま目立つところ──案内板の支柱にとまっていたクロスジフユエダシャク♀↓。


小さいながら翅が4枚あるのがわかる。


こうした目立つところにクロスジフユエダシャク♀が出ていることは少なく、たいていメスは見えないところに隠れている。隠れたメスをオスはどうやって探しあてるのか──というのが、なかなか興味深かったりする(*)。

クロスジフユエダシャクはなぜ隠れて交尾するのか
意外な翅の役割り!?クロスジフユエダシャク

その他の蛾など



晩秋の蛾・ニトベエダシャクはこのところ、ちょくちょく見かける。


木の幹にとまっていたケンモンミドリキリガ↑。あわい緑の分断模様が周囲の地衣類にマッチしているように見えなくもない。


花のまわりを飛びまわりホバリングで吸蜜するホシホウジャクはハチドリのようだが、とまっている姿はずいぶんと印象が違う。


前回投稿したエゾギクキンウワバに似たイチジクキンウワバ↑。鉛直面に頭を下にしてとまっていた(画面右が下側)。
蛾でも昆虫でもないが……ついでに、ビジョオニグモ♀↓。





クモ擬態のオーロラハマキ!?

ハエトリグモ的オオナミモンマダラハマキ



コブシ周辺の下草の葉上にオオナミモンマダラハマキの姿が見られるようになった。小さな蛾だが、ちょっと変わっている。頭を下げ尻を上げた姿勢で後ろ向きに進みクルクルと向きを変える──この動きが、やはり葉上で見られるハエトリグモによく似ている。凝った模様もよく見るとハエトリグモっぽい。


ハエトリグモに似ていると何かいいことがあるのか?

去年の6月、葉の上にきれいなハエトリグモがいるな──と思ってよく見たら、この蛾──オオナミモンマダラハマキだったということがあった。そのとき「ハエトリグモに擬態」しているのではないかと気づいた。ただ……この小さな蛾がクモに擬態してどんなメリットがあるのか──擬態の意味が想像できなかった。
擬態といえば天敵をあざむく術という印象がある。この蛾の天敵としてまず思い浮かんだのは鳥やトカゲ、カエルなど──これらは蛾であろうとハエトリグモであろうと分け隔てなく(?)食ってしまうだろうから擬態効果は期待できない。
蛾は狩るけれどハエトリグモは避ける──そんなハンターが対象の擬態なのか? 葉の上で遭遇する捕食者といえば……カマキリの幼虫あたり?(※↓「ハラビロカマキリ若齢幼虫」の間違い)


この時期、葉の上にはカマキリの若齢幼虫をよく見かける。カマキリの幼虫なら小さな蛾は捕食対象となるはずだ。しかし、若齢幼虫はハエトリグモに捕食されてしまうこともあるだろう。葉の上にとまるオオナミモンマダラハマキがバッティングしがちなカマキリ幼虫を威嚇するためにハエトリグモ擬態を獲得したのだろうか? ただ、ハエトリグモとカマキリの力関係は、おそらくサイズや出会った時の状況でかならずしも一方的ではないだろう。カマキリがハエトリグモを捕食することもあるだろうし……ハエトリグモに擬態することがはたして生存に有利に働いているのかは疑問だ……。
昨年、オオナミモンマダラハマキのクモ擬態の可能性について記したところ、(mixiの方で)虫屋さんから、擬態のメリットについて「このような葉上には、よくディプテラが止まります。ディプテラを止まらせず、縄張りを守るため?ってどうでしょうか?」というコメントをいただいた。「ディプテラ」は馴染みの無い言葉だったがハエ目の昆虫のことらしい。言われてみれば確かに、葉の上には色々な種類のハエ目昆虫がとまっていたりする。これらが擬態の「対象」ということはあるのかもしれない。


翅裏に隠されたオーロラの輝き



ハエトリグモちっくなオオナミモンマダラハマキ──この蛾のユニークなところはそれだけではない。フラッシュ発光で撮影するとメタリックな輝きを放つのだ。


翅の付け根のあたり(頭の後ろ)には縦筋模様が走っているが、これが銀色に反射したり、角度によって青~緑に輝いて写る。


なんと翅の内側もカラフルに発色する。


波打った翅がカラフルに発色するようすはオーロラを連想させる。






葉上で後ろ向きになり翅を持ち上げるしぐさは、この翅裏のカラフルな彩りをアピールするためだったのではなかろうか? 人にはフラッシュ撮影しないとわからない彩りがオオナミモンマダラハマキ同士には見えているのかもしれない?
蛾はふつう葉の裏側に隠れてとまる。それがわざわざ目につきやすい葉の上にでて目立つ動きをするというのは……これはディスプレイ行動なのではないか? 葉上の動きをオーロラ発色を披露する求愛ダンスのようなものだと考えるとつじつまが合いそうだ。
求愛ダンスに適したステージ(葉の上)を確保するさいに、ハエトリグモに擬態していれば、虫屋さんが指摘されたように葉上でバッティングしがちなハエ目昆虫たちとの縄張り争いに有利なのかもしれない。

去年オオナミモンマダラハマキのクモ擬態に気づいたとき、僕はその効果について「天敵」対策としてその可能性を探していたが、元々は求愛もしくは同種オス同士の縄張りディスプレイとしての行動があって、それがたまたま(?)ハエトリグモの動きに似ていたことから、他の葉上利用者(ハエトリグモを怖れる小さなハエなど)に対して縄張り確保に有利に働くハエトリグモ似の模様が発達・獲得されたのではないか……今はそんなふうに考えている。



蜂擬態!?ムネグロメバエ

ハチに擬態!?ムネグロメバエ



葉の上にこんな虫↑がとまっていた。全体の印象はハチに似ている。しかし前翅の後ろには平均棍(後翅が変化した器官)がある──これは双翅目(カ・ガガンボ・ハエ・アブ・ブユなどを含むグループ)の特徴だ。一見ハチっぽく見える触角は、よく見るとY字型をしている──この特徴からハチモドキハナアブというハチ擬態のアブの仲間ではないかと予想。しかし調べてみるとハチモドキハナアブ(ハナアブ科)の仲間ではヒットしない……。更に調べてムネグロメバエ(メバエ科)という種類に行き着いた。


ふつうハエと言ったらこの姿は思い浮かばないだろう。ハチをイメージさせる容姿と関係があるのかどうか……ムネグロメバエは、なんとハラナガツチバチなどに寄生すると考えられているらしい。
効果のほどはわからないが……見た目の印象からすると、ムネグロメバエもやはりハチ擬態と見てよさそうな気がする。そう考えたくなるポイントの1つがY字型の触角だ。
一般的にハエやアブの触角はハチの触角より短い。腹にハチに似せた(?)黄と黒の警告色模様を持つアブはいるが、触角が短いとアブもしくはハエであることがバレがちだ。そこでハチっぽさをアピールするためには短い触角を長く見せる必要がある──ということなのだろう。ムネグロメバエ(やハチモドキハナアブ)は短い触角を長く見せるために触角の基部を伸ばしている……これは背を高く見せるために踵を上げ底にしたシークレットシューズと同じ!? シークレットシューズならぬシークレット触角と言ってもよいのではあるまいか。《無理して頑張ってる感》が伝わってくるような気がしないでもない!?

美しいヨダンハエトリ♂



《無理して頑張ってる感》がある虫ということで──昆虫ではないが、ハエトリグモの仲間のヨダンハエトリ♂──これは昨年5月、知らずに初めて見た時(*)は「日本にもこんな鮮やかなクモがいたのか!?」と驚いた。


ハエトリグモの仲間なのだから、獲物や天敵に対しては目立たぬ方が都合が良さそうなものを……派手な配色をしている。派手なのはオスだけであることから、この目立つ配色は繁殖活動にからんで獲得されてきた特徴なのだろうということが想像できる。獲物に逃げられやすくなったり天敵に見つかりやすくなったり……そういったリスクを背負ってでもメスにアピールする(モテる)特徴を発達させることの方がオスにとって(子孫を残す上で)重要だったのだろう。これはこれで《無理して頑張ってる感》があるような……。
ヒト目線で見たとき──《無理して頑張ってる感》のある虫はおもしろい。


紅葉モードのセアカツノカメムシ他

紅葉モードのセアカツノカメムシと臭腺開口部



ワイヤーフェンスの上部にとまっていたセアカツノカメムシ成虫♀は紅葉したかのように赤っぽくなっていた。本来はもっと緑色をしている──ということで、比較用に6月に撮影したセアカツノカメムシ成虫の♂と♀↓。


ワイヤーフェンスの上部にとまっていたセアカツノカメムシ成虫♀を腹面が見える角度で撮ってみると……、


ニオイ(カメムシ臭)物質を分泌する臭腺開口部(開孔部)は、成虫では中脚と後脚の付け根ふきん──後胸腹面に1対(2個)開口している。


成虫では胸の腹面に1対(2個)ある臭腺開口部(開孔部)だが、幼虫では腹部背面に3対(6個)開口している。7月に撮影したセアカツノカメムシ幼虫↓。


カメムシ幼虫の臭腺開口部(背板腺)は科によって位置や数に違いがあるが、ツノカメムシ科の種はキンカメムシ科と同じ──第4・5・6番目の体節の背中に各1対=計6個)開口している。アカスジキンカメムシ幼虫の臭腺開口部に比べると判りやすい。

最近目にした虫から



やはりワイヤーフェンスの上部にとまっていたハサミツノカメムシ成虫♂↑。あざやかな緑色をキープしていた。


ワイヤーフェンス支柱のトップにとまっていたモンキツノカメムシ↑。
そして、よく似たエサキモンキツノカメムシ↓。


モンキツノカメムシとエサキモンキツノカメムシは、紋の形が違うとされているが、まぎらわしい個体もいる(*)。
ワイヤーフェンスの上部には、ウバタマムシの姿も↓。


ウバタマムシはホストのマツでも見られる。






↑と同じ個体↓。


松の枝先を見ていくと、ウシカメムシの幼虫がとまっていた↓。


今シーズンはカメムシが多いという報道があったが、ウシカメムシ幼虫を見かける機会も今年は多めかも? 別個体↓。


ちょっとキレイなウスミドリナミシャク(蛾)↓。


10月にも何度か見かけていたウスミドリナミシャク。ホストはイヌマキらしいが、僕が見たウスミドリナミシャクはいずれもサクラの幹にとまっていた。


擬木の上にいたコブハサミムシ。ハサミムシは時々見かけるが、虫見を始める前は飛翔できる種類がいるとは思わなかった。(ハサミムシにしては)立派な翅が目立つコブハサミムシは飛ぶことができるそうな。コブハサミムシにはユニークな習性があって、それについて、Ohrwurmさんがブログで興味深い話を記されている↓。




擬木の上にいた人面蜘蛛的ビジョオニグモの♀↑。晩秋に時々見かける。
晩秋に見かけるといえば、この蛾もお馴染み↓。


ニトベエダシャクが見られるようになったので、ぼちぼちフユシャクも出てくるだろう。